単声書簡

個人という灯台から

ジャン=ルネ・キニャール(Jean-René QUIGNARD)という人

ジャン=ルネ・キニャールという作曲家/オルガニストは、日本ではほとんど知られていない。
1887年にフランス北中部のロワール=エ=シェール、ロモランタンに生まれる。
パリのスコラ・カントルムでオルガンと作曲をルイ・ヴィエルヌに師事し、
ヴェルサイユノートルダム教会の楽長兼オルガニストに就任する。
のちにブルターニュ地方のサン=ブリユー音楽院で教鞭を執った。1978年同地にて没。
多くの教会音楽、合唱作品、オルガン作品を残した。

キニャールと聞くと、現代フランス文学界の重鎮パスカルキニャール(Pascal Quignard)を思い浮かべる。彼は職業オルガニストの家系に生まれ、本人もオルガニストである。彼の父の故郷であるアルザス地方には、キニャールという名前のオルガニストが数多くいるらしい。どこかで繋がっているのではないだろうか。

そんなジャン=ルネ・キニャールのオルガン作品がこちら。
憂鬱のカンティレーヌ(Cantilène mélancolique), 神秘のカンティレーヌ(Cantilène mystique)


Quignard Cantilènes orgue Stoltz Souillac

素朴ながら良曲。修道院や教会でずっと唱え継がれた言葉のような、美しい古さの祈りである。

こちらは合唱作品。
小ミサ曲〈洗礼者ヨハネを讃えて〉 より  アニュス・デイ(神の子羊)


Agnus Dei "Short Mass in Honor of St. John the Baptist" by René Quignard


こちらも会衆の祈りに根づいているところや、古い時代への敬意といったものが感じられて、個人的にとても好み。
調べると海外の礼拝奏楽ではちょいちょい用いられていることがわかり、日本でもぜひ聴いてみたいもの。

ジャン=ルネ・キニャールは生涯フランスで活躍した作曲家にもかかわらず、
なぜかwikipediaオランダ語しかない。なぜ...。

Jean-René Quignard - Wikipedia