単声書簡

個人という灯台から

Man of war (Radiohead)

Man of war

 

Drift all you like from ocean to ocean
Search the whole world
But drunken confessions and hijacked affairs
Will just make you more alone


When you come home I’ll bake you a cake
Made of all their eyes
I wish you could see me dressed for the kill

 

You’re my man of war
You’re my man of war
Yeah, the worms will come for you, big boots
Yeah, yeah, yeah

 

So unplug the phones, stop all the taps
It all comes flooding back
To poison clouds and poisoned dwarves

 

You’re my man of war
You’re my man of war
Yeah, the worms will come for you, big boots
Yeah, the worms will come for you, big boots
For you, big boots

 


〈歌詞和訳〉

 

 Man of war

 

海から海へ 漂流するみたいに

世界のすべてを検索すればいい
酔って自白して  乗っ取り事件を起こしても
あなたは孤独になるだけだけど

 

帰ってきたらケーキを焼くわ
あいつらの眼球で作るの
殺戮のために着飾った私を見てよね

 

あなたは私の戦士
あなたは私の戦士
そう、虫けらどもがやってくる、大きなブーツを履いて

そう、そう、そう

 

だから電話回線を止めて  電源を落として
またあいつらが湧いてくる
毒の雲と 毒されたドワーフ(小人)たちが

 

あなたは私の戦士
あなたは私の戦士
そう、虫けらどもがやってくる、大きなブーツを履いて
そう、虫けらどもがやってくる、大きなブーツを履いて
あなたのために  大きなブーツで

 

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Radioheadが新たなPVを発表した。

https://youtu.be/DXP1KdZX4io

 

wormsと聞いて思い浮かべるのはコンピュータウイルスのワームだろうか。

おそらくその意味もあり、或いは虫けらのような連中、という意味もあり得る。

drunkenはDriftにかかっているのか、酒に酔っているとも、ネット住民の意見の波に船酔いしているともとれる。その酔いにまかせて暴露(いわゆる“バカッター”的な)をしても、ハイジャックのようなSNSの乗っ取り(いわゆる“今忙しい?”的な)をしても、結局人が離れていくだけだ。

poison cloud and poisoned dwarves

という行は、インターネットのクラウドサービスに冒された人間たちへの揶揄もあるだろう。

 

軍靴の音が聞こえる、という言い回しがあるが、bootsも戦争(war)を想起させる単語である。

この曲は2007年に発表された当時より、 〈Big boots〉という題名で知られていた。

〈Man of war〉という題は、よりダイレクトに、戦争の巻き起こる今日の世相を映している。

Man of warは古語で軍艦を指すため、ocean to oceanとかけて、ネット上の漂流船、といった意味もあるだろう。

現実の戦争と、ネット上で“戦争ごっこ”をしている人たち。しかし後者はただの遊びだろうか。

ネットゲームの戦いもそう。虚構の戦場のはずが、いつの間にか人の心身を蝕んでゆく。

一滴も血を流さず、しかし確実に人を傷つけている戦いが、インターネットの海上で続いている。OK computerが発表されて、10年の歳月を経てもなお。